飛耳長目ノート

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違いを生む「違い」

氏と姓と名字の違いは何?

2016/11/20

書類を書く際に「氏名」を書くよう、指示があったりしますよね。

この氏名のはいわゆる名字な訳ですが、
この氏と名字に違いはあるのでしょうか?

また、同じく名字と同じように使われる姓という言葉とは
どのような違いがあるのでしょうか??

リサーチしてみました!

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氏と姓とは?

氏と姓とは何でしょう?
この答えは中学校の歴史の教科書にもあります。

氏姓制度ですね。

聖徳太子が出した冠位十二階は有名ですが、
その前から用いられていた制度です。

氏姓制度とは氏と姓を称することで
社会的な身分を表しました。

氏は系譜上、祖先を同じくする同族集団を表します。
昔はこの集団が社会の基本的な集団だったのです。

氏の由来は地名や職業があり、
有名な蘇我氏は地名、中臣は職業に由来しています。

それに対し、姓とは、氏に付き、
その職掌・家格や尊卑を表わす呼称
のことです。

蘇我氏の姓は臣、中臣氏の姓は藤原となりました(鎌足さんの時に)

この姓が徐々に整備され、
最終的に八色の姓となるんですね。

ちなみに八色の姓をあげると、
「真人(まひと)、朝臣(あそみ・あそん)、宿禰(すくね)、忌寸(いみき)、
道師(みちのし)、臣(おみ)、連(むらじ)、稲置(いなぎ)」となります。

なかなか読めませんよね。

でも、この制度が江戸時代くらいまで長く用いられていたわけです。

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名字はどうして生まれた?

続いて生まれたのが、名字です。

名字が生まれたのは荘園制度が進んだ頃。
荘園が自分のものだと称するため、
土地に自分の名前をつけるようになりました。

その結果、土地が名田と呼ばれるようになり、
のちに、その名田の名前を家名とするようになったのです。

公家の名前の変化などもこれと同じです。
藤原氏の中で、九条さんは九条というところ、
三条さんは三条というところに住んでいたから、
そういう家名になったのです。

似たパターンとしては西園寺さんなどもあります。
こちらは先祖の建立したお寺の名前ですね。

ちなみに苗字と名字は今は同じですが、
昔は若干異なりました。

苗字は子々孫々、家系を同じくする人々の集団である苗裔からできました。
ですので、昔の氏が細かくなったものと言えます。

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では、昔の人はどうやって名乗った?今はどうなっている?

昔は氏と姓と名字・苗字があったわけですが、
では、有名な昔の人の名前を見てみましょう。

例えば織田信長

織田は苗字となります。
そして、氏が平、姓は朝臣ですね。

織田氏については平氏と名乗っているだけで、
あくまで自称と言われています。

とは言え、正式文書では織田を使わず、
平朝臣信長と書いたようですよ。
徳川家康の場合は、源朝臣家康ですね。

そんな名乗り方がなくなったのが、明治時代

四民平等でみんな姓を持つようになったのです。
ただ、この場合の姓は「せい」であって、
氏姓制度でいう「かばね」ではないんです。

ここが混乱の原因です。

また、その登録の際に、元々の氏で登録した人もいれば、
その際の名字を使った人もいるんですね。

ですから、通称が佐藤さんでも
「藤原」で登録した人もいれば、
「佐藤」で登録した人もいるんですね。

だから、色々複雑になってしまったわけです。

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まとめ

まとめてみましょう。

歴史を振り返ると氏や姓の意味は明らかですね。

氏は祖先を同じくする同族集団

姓は氏に付き、その職掌・家格や尊卑を表わす呼称

となります。

それが、混乱したのは明治時代以降での
姓は昔のものとは違いますし、
色々あった名前を1つに統一したことから
このような複雑な状況が生まれたわけです!

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