旧暦の6月のことを水無月(みなづき)と言いますよね。
6月といえば梅雨の時期ですので、
水が無い月というのはどうなんだ!って思いますよね。
同じように旧暦10月の神無月(かんなづき)も結構すごいなと思います。
神が無い月って!
でも、この2つは実は間違いなんです。
しかも、これらの旧暦の異名にはいろいろな民間語源があります。
民間語源とはある語の由来について、言語学的な根拠がないもののこと。
神無月などはまさにそうです。
実は師走(しわす)もそうなんですって!
どういうことなのでしょうか?
調べてみました!
水無月は水が無い月ではない?
まずは水無月の語源から。
実は語源は「水の月」というもの。
水無月の「無」は「の」という意味である「な」だったという説が有力なんです。
「手な心」で「たなごころ」、「水な底」で「みなそこ」と一緒ということです。
それ以外の説も水に関係しています。
例えば、田植が終わって田んぼに水を張る必要のある月だから
「水張月(みづはりづき)」というものですね。
また、水無月はそもそも「水月(みなづき)」であるとも言われています。
神無月も神が無い月ではない?
続いて神無月に行きましょう。
こちらも語源は「神の月」という説が有力です。
理由は水無月と同じで、「な」が今の「の」と同じ意味だからです。
ただ、「神の月」の語源については分かっていないのです。
ちなみに神無月に神がいない理由として
神様がこの月に出雲大社に集まって1年のことを話し合う集まりがあるというものがあります。
これがいわゆる民間語源というもの。
この説は結構昔から言いふらされており、
出雲大社の御師が中世くらいから広めていたんです!
この民間語源を踏まえ、出雲地方では旧暦9月を「神在月」と呼んでいます。
ここまでいろいろ定着しているなら別にいいかなとも思いますよね。
師走もお坊さんが走り回る月ではない?
最後にもう1つ民間語源を紹介しておきましょう!
それが旧暦12月の師走(しわす)。
12月は年末でお坊さんが忙しくて走り回るから
お坊さん=法師が走るという意味で師走。
こんな話を聞いたことがあると思います。
でも、これも民間語源なんです。
実は師走の語源もはっきりしたことはわかっていません。
確かによく考えてみるとお坊さんって年末忙しいかというと
よくわからないですよね。
もちろん、暇ではないのでしょうが、
他の職業より特別忙しいということはないような気がしますよね!
スポンサードリンク
まとめ
それでは、まとめてみましょう。
旧暦の6月、10月はそれぞれ「水無月」「神無月」ですが、
この「無」という時は今でいう「の」なので、
決して「水が無い月」「神が無い月」ではありません。
「神無月」や「師走」の語源として
今言われているものは実は民間語源で
正確なものではありません。
でも、神無月や師走の語源はイメージが湧きやすくていいと思うので、
逆にこれをこのまま残してもいいのではと思うのは私だけでしょうか?